イベントレポート

匠の夏まつり 2018

開催概要



匠の夏まつり2018
~ みんなValue Hackerになろう ~

開催日時

2018/09/14(金) 14:00 〜 18:00

会場

エッサム神田ホール2号館 601

スケジュール

13:30~ 受付開始
[14:00~14:50] 基調講演 渋谷雄大(50分)
[14:50~15:40] 匠Methodセッション (50分)
[15:40~15:50] 匠BusinessPlace サービス紹介 (10分)
[15:50~16:10] 休憩 (20分)
[16:10~16:30] 事例紹介 佐藤治夫 (20分)
[16:30~16:50] 事例紹介 高崎健太郎 (20分)
[16:50~17:00] 休憩 (10分)
[17:00~17:50] パネルディスカッション (50分)
[17:50~18:00] クロージング (10分)

基調講演

PersonalとWorkにおける本当の価値について
渋谷 雄大さん

今回の匠の夏まつり基調講演は、 渋谷雄大さんからスタートです。
渋谷さんは、今までの匠イベントの基調講演登壇者の中で最年少?!
3つの会社に所属し、講演・セミナー回数はなんと250回以上。 そして、4児のパパの顔を持つ渋谷さん。
「業務改善とは?」「わたしのいきかた」の2大テーマで語ってくれました。

まず前半は「業務改善」について。
kintoneのエバンジェリストの渋谷さん。
「業務改善のアイディアをカタチにしやすいのがkitone」
そのkinotneにおけるユーザ事例を紹介してくれました。
紹介してくれた事例の一つは、 従業員10名の小さな印刷会社の業務管理システム開発。 kintoneをシステムを導入するにあたり、 システムの前に業務をアナログの視点で見つめ直し 社員が求める働き方を実現させるための方法を検討したそうです。

システムを入れて成功する企業と失敗する企業。その違いはなにか?
「まずを何を実現したいのか?そこをしっかり考えることが大事」と 渋谷さんはおっしゃってました。
「仕事の本質って何だろう」「何のために働くのか?」を問おう。
そして、渋谷さんは、「価値を最大化する」「価値を実現するための活動をする」
まさに、バリューハッカーです!!

そして後半は「わたしのいきかた」について。
渋谷さんの生い立ち・・・それはそれは波乱万丈で、楽しすぎました。笑
深川生まれ~ スーパーサイエンス高校~鍼灸師~スポーツトレーナー・・・ フェデラーとの出会い~オーストラリアでの留学~・・・
この様々な経験の中で、渋谷さんが感じたこと。 「自分の時間のために仕事をしよう」
では、どういう生き方をしたいのかを自分に問う。 「かっこいい父親になりたい!」

その目標を胸にまた様々な経験をされてます。
起業~日雇いバイト~結婚!!~新資格作り~本の出版~kintoneとの出会い・・

渋谷さんが一番大切にしている軸
「仕事はあくまでも幸せになるため。仕事のために仕事をするわけではない。」

選べる選択肢が増えてきた時代に、
お客様の幸せをより明確にするための武器の一つとして【匠Method】があるかもしれない。
ValueHackerというキーワードを胸にしながら活動していきたい。
そう言ってお話を終えられました。
渋谷さん、ありがとうございました。

※本セッションの動画・資料は非公開です

匠Methodセッション

唯一のブランドとなるための表現力と内発的なアクション
株式会社エフインク 萩原 房史さん
株式会社匠BusinessPlace 萩本 順三

匠BusinessPlace 萩本とF-INC. 萩原さんによるトークセッションが始まりました。
オープニングで萩原さんによるValue Hackerの定義についてのお話しがあります。 「価値の組み直し」「新しいものを再編集すること」ではないか?という見解を示してくださいました。 事前にValue Hackerとは何か考え、基調講演の刺激を受けた中でそう感じたそうです。

まずは萩原さんの自己紹介から。

1990年に設立したF-INC.すでに人生の半分をF-INC.と共に歩んできたそうです。 当時CI(コーポレート・アイデンティティ)ブームがあってコンサルティングは大きな需要がありました。 その時、萩原さんはロゴとビジョンを変えただけでは企業は変わらないのではないか?という疑問があり、会社を立ち上げることになりました。 そして28年を経た今でもブランディングを中心に業務を行っています。

ブランディングを行うために、萩原さんは「知る」「考える」「創る」「育む」というプロセスを大事にし、育むためのアクションは必要不可欠であると感じているそうです。 だが、アクションを実践するのは非常に難しいと捉えていました。
そんな中、萩本の「匠Method」と出会ってArchBRANDINGに繋がっていくのです。

「創る」に当たるデザイン部分はF-INC.社の主要な活動領域です。 萩原さんいわく「クレイジーで当然」とのこと。 お客様の求めるコトを超えていかないといけない。それでようやくプロとして結果を残すことができる。
凄まじい覚悟とプロ意識を感じました。

実際に萩原さんが手がけた仕事・事例を紹介していただきます。ある大型商業施設の空間デザインの事例です。
そんな中、会場に声をかけます。「ここに行ったことある人?」 多くの方が挙手します。そこで萩原さんは言います。

「オーナーでもないのにうれしい」

自分の仕事に誇りをもっているのだなと感じ取ることができます。

ここで4つのプロセスの話に戻ります。
デザインまではしっかりやっていくのですが、そのあとブランディングが良いものになるためには内発的なアクションが行われることではじめて良質なデザインが効果を発揮してブランドが育っていく。 萩原さんとしてはそれがなかなかうまくいかず、不満に感じていたそうです。

ここで萩本との出会いがあります。
お二人は10年来の知人で、話している中で何か共通するものを感じていましたが、お互いにまだ時期ではないと思っていたそうです。
匠Methodは完成度が高まり書籍という形になったところで、いよいよ進んで行きます。 萩本が書籍をプレゼントしたところ、萩原さんは「これだ!」と思います。そして、自らのブランディングの仕事を書籍を読み解きながら匠Methodでアクションに落としてみたそうです。
そして生まれたのが「ArchBRANDING」です。

ここでArchBRANDINGで作成した紹介動画を流します。動画はこちら。

事例紹介に続いてArchBRANDING説明をした後で、萩原さんがブランディングの世界に入ったきっかけについてお話がありました。

萩原さんは就職するとき、同学部の学生がほとんど広告業界に進んで行く中、「広告は自分のやりたいことではない」と思っていたそうです。 そこで、異なる学部の先生に弟子入りしてCIコンサルティングの世界を学んだそうです。 そして就職するときには有名なCIコンサルタントにアポなしで頼みに行って就職します。 さらに就職後は様々なプロジェクトを任せてもらいながら、それでもCIだけだと実現できないことがあると感じます。 一念発起し、社会の広範囲な領域で価値を作っていくために27歳で独立したそうです。

それを聞いて萩本は自らの経験を話し、基調講演の渋谷さんの話も引用しつつ、「チャレンジを楽しむこと」は重要な考え方だと述べます。 さらにお客様、つまりその道のプロと触れ合い、刺激をもらいながらチャレンジしていくことが自らの仕事をレベルアップしてくれると。
これがValue Hackerになるためのひとつの道筋だと示して、セッションのまとめとなりました。

人との出会いを経て紡いできた高いレベルの仕事、そしてチャレンジを楽しみながら進んで行く情熱によって2人のプロフェッショナルは活躍してきました。 全く別の分野でありながら共通するものを感じ、互いに惹かれあいます。そして、それぞれの事業はさらなる高みに到達していくのです。
Value Hacker同士が出会うとさらに大きなValueを生み出す。そんな奇跡があると、このセッションから感じることができました。

※本セッションの動画・資料は非公開です

事例紹介1

匠Methodを使った製品開発の現場
株式会社ビープラウド 佐藤 治夫さん

匠の夏まつり2018の事例紹介第一弾は佐藤治夫さんです。
佐藤さんは、いつもの正装(野球のユニフォーム)で「匠Methodを使った製品開発の現場」について語ってくれました。

佐藤さんの会社の製品開発は匠Methodの導入する前は「消耗するような大変さ」だったとのこと。 製品企画をしてもなかなか結論が出ずに時間だけが過ぎていってしまい、 結局合意、納得感が無いまま開発に進んでしまい、出来上がってもなかなか効果が出なかった 匠Methodを導入後は試行錯誤もありながら着実に進んでる感覚を持て、 「ビジョン」「価値」の実現に集中するができるので、製品開発後予想以上の成果が出るようになったそうです。

今回は匠Methodでの具体的な成果を紹介していただきました。
まず、株式会社ビープラウドで運営しているIT勉強会支援プラットフォーム「Conpass」のPV数が 導入前は横ばいだったのが、導入後の現在は約17.5倍!!へと上がったとのことです。 また導入後に開発リリースした「PyQ」でもその成果はとてもよく表れているとのこと。

数字以外にも次の4つの効果を見つけることができたそうです。
①広い視野の獲得
②オリジナリティがありニーズにマッチした製品企画
③人の能力をフル活用
④高いモチベーション

この中で印象的だったのは「③人の能力をフル活用」です。 匠Methodの価値分析モデルとデザインモデルは感性なので右脳を使用していて 要求分析ツリーはロジカルなので左脳を使用しているので人間の脳をフルに活用していると説明されました。 たしかに!!「人の能力をフル活用」していると思いました。 その他の内容についても詳しく説明がありましたがここで書いているととても長くなってしまうので、、
ぜひ下の資料をご覧ください!!

さらに実際に匠Methodを使用したチームメンバーの感想をたくさん紹介していただきました。
ちょっと時間がなくなってしまい少ししか紹介されませんでしたがいい感想ばかり書いてあり嬉しくなりました。

最後は『「孤高の天才vs集合天才」どちらが勝つかな』と投げかけ事例紹介が終わりました。

佐藤さん、ご登壇ありがとうございました。

資料

※本セッションの動画は非公開です

事例紹介2

Value Hack するために、人を Hack せよ!
株式会社アクティア 高崎 健太郎さん

「『私はValue Hackerだ』という人?」

会場へのこの問いかけから高崎さんのセッション始まりました。
戸惑いながらも数名の方が手を上げました。それを見て高崎さんも「Value Hackerというテーマで登壇をしてほしい」という依頼があったときに「Value Hackerって何?」と戸惑いを感じたと笑いながら心情を明かされています。

発表をするには「Value Hacker」を定義しないといけない。高崎さんの発表では、まずその定義を説明してくださっています。
本セミナーの登壇者の皆様の特徴が
・ノリがいい
・賑やか
・一緒にやりたい
であることから始まり、「Value」と「Hacker」の意味、「価」と「値」の意味を通じて、

『価値は人により異なる相対的なものである、したがってValue Hackをするには人をHackしないといけない』

と結論付けられています。
「Value Hacker」という言葉を提唱した弊社も「なるほどー」と納得してしまいました(笑)。是非動画や発表資料でご確認ください。

ここから「人と価値をつなげる」ということで匠Methodをご紹介いただきました。
価値追求のためのフレームワークである、価値を追求するときの共通言語となる、など匠塾塾長として3年以上もコミュニティを運用されている高崎さんの経験から語ってくださったこの言葉は本当に嬉しく思います。

アクティア様の営業支援サービスである「かけるくん」も営業の価値を追求して機能を提供している点。
受託開発でも「モデル駆動開発」「ドメイン駆動設計」を行なっているが、その前段階でお客様の業務を理解することの価値、モデリングの価値、反復することの価値など実際に実践されていることをご紹介いただきました。

高崎さんの発表を聞いて「価値を提供するんだ!」と考えずとも、普段から「価値」を中心に活動をされているんだなということが伝わってきました。
Value Hackerになるためにいろいろな刺激を取り込んで自身をHackしていかないといけないと改めて感じました。
高崎さん、ご登壇ありがとうございました!

動画

資料

パネルディスカッション

Value Hacker の未来とは?

様々な業種・業界から集結した4人!

今年の匠の夏まつりのイベントテーマ「Value Hacker」。その実践者として選ばれた4人が、価値を生むということの真髄に迫り、未来を語ります。
価値を創ること・生み出すことを常に意識されている方々に、あえて匠Methodから離れた見地から議論していただく企画です。
運営側もどうなるか予想のつかないパネルディスカッションの幕が上がります...。

登壇者自己紹介

株式会社ジョイゾー 四宮 琴絵さん
業務分析をし、コーディングレスの kintone インプリをしています。
同時にサイボウズ株式会社主催の「ちいクラ(地域クラウド交流会)」において、釧路市で活動中。
3児の母でありながら、釧路市で Hokkaido Design Code を起業。
Value Hack的な活動として「人がつながる、ゆるいコミュニティを作り出す」をスローガンに精力的な活動をしています。

株式会社Cスタジオ 千貫 素成さん
元銀行員として20年以上金融システムを担当。
勘定系やインターネットバンキングなどを構築してきました。
8年前に独立をし、当時から理念として掲げてこられたことと今回の Value Hacker とがシンクロしていたと感じます。
Cスタジオでは先端技術を提案し、活用していただくコンサルティングを行っています。
現在でも金融系システムに携わっており、仮想通貨やデジタル通貨の交換所の構築に参画しています。
企業におけるシステムを「記録システム」「差別化システム」「革新システム」の3つに分類し、その上で「革新システム」において DevOps を中心にコンサルティングサービスを提供しています。
Value Hackerとは、この「革新システム」のフィールドで活躍されている人なのかな?と感じました。

株式会社リコーITソリューションズ 備前 勇さん
システム運用をする中で、企画や開発の時点での問題が多発し、上流への疑問が湧いていました。 現在、業務設計を担当しており、新規事業の立ち上げや既存業務の改善の支援をしています。 経営とITの架け橋となることを目指すITコーディネータを取得し、このあたりが好きで向いていると感じています。 今日1日で「価値」という言葉を10年分ぐらい聞いた気がします(笑)。 Value Hackerって何?というレベルでお受けしましたが、私なりに考えてみたところ、1人で生み出せる天才を指しているのではなく、 価値をストーリーにして活動を活性化させていくことができる人なんだろうなあと。

株式会社エフインク 萩原 拓人さん
ブランディングの視点で Value Hacker を考えてみたところ、企業やサービスの Value を表現していくことかなあと結論づけました。
そもそも Value って何だろう?と考えてみました。
同じものなら安いものに価値を感じるし、同じ値段なら質の良いものを選びます。
同じ値段で同じ質ならより価値の分かるものを買うのではないか、そこがブランディングなのだろうと思います。
質的な価値と人に与える価値、つまり哲学的な価値を創っているのかなあと今日のセッションを聞いていて思いました。
商品やサービスの価値を表現して、社会にどのような影響を与えていくかがブランディングだと思います。
価値を認めてもらえる、共感してもらえるのが Value Hacker なのかなと考えてきました。

※主体はご本人

ディスカッションまとめ

キーワードは「グルーヴ感」!

ディスカッションでは、「グルーヴ感」というキーワードが生み出されました。価値を創る Value Hacker。そこにはお客様と一緒にスピーディにコミュニケーションを取り、アウトプットを出していく一体感が必要です。このディスカッションでそれを「グルーヴ感」と呼びました。
「正しいものを作る」という観点とはまた異なり、「正しいかどうかは分からない」中で、グルーヴ感をもって活動していく。
それにより、多くのフィードバックを得て、どんどん改善していく
kintoneや Salesforce、DevOps といったキーワードが出ましたが、根底に流れるものは同じなんだなと思いました。
価値はどこにあるのでしょうか?それは頭だったり心だったり、と思っていたのですが、実は「共感」すなわちグルーヴ感の中に価値はあるのかもしれない、という知見を頂きました。
匠Methodでは要求の価値を問います。その価値は匠Methodのワークショップの中で、頭を悩ませ、いろんなステークホルダーの気持ちや立場になり、ひねり出していきます。
これは「価値のデザイン」です。そして実際の価値は、その活動の中でグルーヴ感を持って熱く活動していくことで、常にブラッシュアップして育てていくものなんだなと思いました。

未来の Value Hacker へのメッセージ

最後に、登壇者のみなさまからメッセージを頂きました。

[四宮] 現場で感じられることで楽しい。とにかく熱い人になれば Value Hacker になれるのかなと思います。

[千貫] 良いお客さんを見つける。お客さんを選んでください。

[備前] 自分の仮面を外して、全人格をさらけ出していきたいです。

[萩原] 共感をさせていく力、する力。この力が重要で Value Hacker につながるんだなと思いました。

動画

クロージング・イベント全体を通して

今回は新たな取り組みとして「グラフィックレコーディング」を使って公演内容のリアルタイム可視化を行いました。
全セッションについてグラフィックレコーディングを行っていただいたのですが超大作です! 本園 大介さん本当にありがとうございました!

会場に足を運んでくださった皆様、オンラインでご覧いただいた皆様、匠の夏まつり2018に参加いただき誠にありがとうございました。
懇親会やアンケートでは参加者の皆様から大変多くのご好評をいただきました。匠BusinessPlace一同、今後も邁進して参ります。
次回はワークショップ形式での開催を予定しております。次回も是非ご期待ください!